語学学校という場所は本当におもしろい。
みんな英語が母国語じゃなく、英語が話せるレベルも人それぞれ。
全員が勉強中だから時々おかしな英語が飛び交うんですよね。
エクアドル出身のサンティアゴ。
彼はとてもマイペースでチャーミング。
英語をすごく話せるわけではないけれど、興味のあることはガンガン喋る。
日本食が好きらしく、食べた日本食の写真を私に見せては
「それは台湾料理。」などと言われたりしている。
ある日の授業で、先生の姉の話になった。
姉というものはなぜあんなにも弟をいじめるんだと、
昔から今に至るまでの姉の犯行と奇行を先生は不満げに打ち明けていた。
するとサンティアゴがニコニコしながら言った。
“Oh, because you are annoying!
In a good way! ”
訳: あんたがうざいからじゃん!良い意味でね!
一瞬時が止まり、全員爆笑。
annoying (鬱陶しい)に良い意味はねぇのよ。
先生本気でびっくりしてた、まさに鳩に豆鉄砲。
“What do you mean!?” (どういう意味⁉︎)
そらそう。急に生徒からにこやかに暴言吐かれたらそうなる。
サンティアゴもサンティアゴでぽかんとしている。
え、良い意味でって言ったじゃん。みたいな。
その態度がたまらなく面白かった。
人に暴言を吐いておいて平然としてるしなんなら本人は褒めたつもりだ。
どうやらサンティアゴは「いじめたくなっちゃう愛らしさがある」
みたいなことを言いたかったらしい。
「そうはならんやろ!笑」
全員が肩を振るわせながらのツッコミが入る。
本当に全シチュエーションが面白すぎて笑い死ぬかと思った。
だって暴言を吐くにはあまりにも爽やか。
なんだろうな、先生に向かって笑顔で中指立ててるみたいな感じでした。本当に。
それからというもの”In a good way”(良い意味で)はうちのクラスの流行語である。
今日サンティアゴが授業中に言った。
“Yuhi is so nice!”
(ゆーひはとても良い人!)
確認せずにはいられなかった。
“Is it in a good way?”
(それっていい意味で?)