私が通っている語学学校のクラスはチリ、メキシコ、コロンビア、
ペルー、アルゼンチンなどなど南米出身の人が多い。
「ラテン系の人」というとすごく陽気な印象、ありませんか?
実際に話してみるとわかりますが、
彼らは本当に意味がわからないくらい陽気です。
イメージを上回る陽気さで日本人をはじめとするアジア人を圧倒してきます。
ひとこと話しかけるとその5倍返ってくるし
距離が近いしボディタッチが多い。
あと唐突に踊れとか言ってくる。
日本じゃパワハラだよ。
そんなラテン系の人たちの中でも
ずば抜けたコミュニケーション能力を持つ男。
そう。エクアドル出身のジョルディ。
彼はうちの学校の一番上のクラスにいてめちゃくちゃ英語が話せる。
母国語のスペイン語はもちろん英語でも尋常じゃなく話す。
そんな彼に私はなぜか初対面の時からずっと絡まれている。なんなら怒られている。
同じクラスじゃないのに。
「今日の気分はどうだ?”良い”?なんで!どう気分がいいの!」
「今日の授業はどうだった?”楽しかった”?何が、どう!」
「もっと話せ!挑戦しろ!」
松岡修造じゃん。
私のなにがそんなにあんたの琴線に触れるんだよ。
ていうか初対面でそんな距離詰めてこられんの怖いって。
お願いだから私のことはそっとしておいてくれ。シンプルに陰キャなんだ。
でもある日、彼の真意がわかった。
「俺よりもきれいな英語の発音をするくせになんでそんなに自信がないんだ!
お前は話せないんじゃない話さないんだ!もっと話せ!」
修造……!!!!!!
私のことが羨ましかったのか…!!!
彼は本当に私の自信のなさが理解できなかっただけで
私を勇気づけようとしたわけではなかったんだろうけど、
羨望のまなざしを向けられるとなんだか自分の英語に自信が湧いてきた。気分がいい。
それから私はクラスでものびのび発言するようになったし、彼を見かけるたびに声をかけている。
Hey, Jordy!How’s it going?
“Yuhi! Ola! Como estás?”
スペイン語で返してくんじゃねぇ。
英語喋れって言ったの誰だよ!!